灰色思考

創作、脳内整理、感情の書き殴り、その他

*1シーンのみです

 


 

「5番、ハズレだ」

 

 男は高笑いした。

 呆気にとられている私の手から強引に金をひったくると、男はそのままどこかへ去っていった。

 バーには、私とマスターと、酔い潰れている髭面の大男以外は誰もいなくなった。

 微かに流れるジャズの音楽と、マスターが皿を洗い続ける小さな音だけが聞こえる。

 私は負けた。

 完膚なきまでに叩きのめされたのだ。