2019-12-12 嵐 *1シーンのみです 「5番、ハズレだ」 男は高笑いした。 呆気にとられている私の手から強引に金をひったくると、男はそのままどこかへ去っていった。 バーには、私とマスターと、酔い潰れている髭面の大男以外は誰もいなくなった。 微かに流れるジャズの音楽と、マスターが皿を洗い続ける小さな音だけが聞こえる。 私は負けた。 完膚なきまでに叩きのめされたのだ。